演者:⼤坪 庸介 先生(東京⼤学⼤学院⼈⽂社会系研究科)
日時:2025年1月27日月 13:00-13:30(30分を予定)
演題:男性のリスク傾向と現代社会における性淘汰
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多くの研究が⼥性よりも男性の⽅がリスク傾向が⾼いことを⽰している。例えば、⼥性より男性の⽅が危険な運転や危険を伴うスポーツをする傾向があり、ちょっとした⼝論に端を発する傷害致死事件に巻き込まれやすい。また、⼼理学における⾃⼰報告式の質問紙調査でもリスク傾向の性差は繰り返し確認されている。このリスク傾向の性差は、⼀般に配偶機会を巡る男性同⼠の争い(性淘汰)により説明される。進化⼼理学では、過去の環境における淘汰が現在観察される⼼の働きを形成したと考えるため、リスク傾向に対して現在でも性淘汰がかかっているかどうかを検討した研究はこれまで⾏われていなかった。そこで、⽇⽶の44〜55歳の男⼥に若い頃のリスク傾向と⼦供の数を尋ねる調査を⾏った。その結果、⽇⽶いずれにおいても、男性では若い頃のリスク傾向が⼦供の数と弱いが有意な正の相関を⽰したのに対して、⼥性ではほぼ無相関であった。また男⼥の相関係数の差も有意であった。この結果は、男性のリスク傾向に対する性淘汰が現代社会でも残っている可能性を⽰唆している。また、⽇本における追加の調査により、⾼校・⼤学時代にスポーツで活躍していた者ほどリスク傾向を⾼く報告する傾向があり、初婚年齢・第⼀⼦出⽣時年齢が低いことが⽰された。この結果は、リスク傾向が⾝体能⼒の正直なシグナルとなっており、その結果、性淘汰の対象になっている可能性を⽰唆している。