アメの山分けゲームの結果

10月7日(土) 「『あまのじゃく』の役割を科学してみよう」にて行われたアメの山分けゲームの結果です。第1部では20名、第2部では21名と、小さなお子様からご年配の方まで、様々な年齢層の方にご参加いただきました。

 ゲームでは、アメの隠された黄色ボックス(中に入っているアメが少ない)および赤色ボックス(中に入っているアメが多く)から参加者が希望するボックスを1つ選び、それぞれボックスを選んだ人で中に入っているアメを山分けしました。ボックスを選ぶ機会は5回ありました。

表1より、黄色ボックスを選ぶと一人当たりのもらえるアメの数が赤色ボックスの半分程度と少ないにもかかわらず、それでも黄色ボックスを選ぶ人がある程度いたことが分かります。赤色ボックスのほうがもらえるアメが多く、かつ選ぶ人も多いにも関わらず、黄色ボックスを選ぶことは今回のイベントのタイトルにもある「あまのじゃく」な行動と言えるかもしれません。

それでは、「あまのじゃく」な行動をすることによって何かメリットはあったのでしょうか?

黄色ボックスでは1回の選択でもらえるアメの数が赤色ボックスよりも少ないため、もちろん黄色ボックスを選ぶ(「あまのじゃく」な行動をとる)と個人がもらえるアメの数はあまり増えません。しかし、もしも全員が赤色ボックスを選んでしまうと、山分けの結果としてもらえるアメの個数は減ってしまうため、図1の△マーカーで示された総数のアメしかもらえなくなります。

 実際のゲームでは、黄色ボックスを選ぶ人がいたことによって、多くの参加者は△マーカーよりもたくさんのアメをもらうことができました(図1)。そのため、集団の中で「あまのじゃく」な行動をとる人が全くいない場合と比べて、「あまのじゃく」な行動をとる人がいることには、メリットがあると言えるのではないかと考えられます。

 ただし今回のゲームではイベントの演出上、どちらのボックスを選んだのか後から分かりやすいように、黄色ボックス内には黄色系統のアメを、赤色ボックス内には赤色系統のアメを用意しました。好みの色やアメの味も選択に影響を与えるため、厳密な実験を行う場合にはこれらの条件を揃える必要があります